エミグレ16号です。1990年発行。\r285mm x 425mm(A3サイズくらい)\r折り込みポスター付き(4枚目の写真参照)\r32ページ\r\r資料によると6000冊作られてカラーが4種類あったようです。\r手元には本誌の赤バージョンとは別に黒バージョンもあります。\r(黒バージョンご希望の方はお知らせください。)\r\rこの他、11、15、17、19、20、21、22、23、26、27、28号があります。\r\r\r(ご興味あれば、、)少し本誌にまつわる思い出話など。\r\rまだ日本のデザイン業界が完全にアナログの時代。MacでフルDTPは厳しくて、Illustratorでロゴを作って印画紙に出力、みたいなのがやっと。日本ではDTP第1世代でしたが、海外ではすでにこうした雑誌が発売されてて、同名のエミグレフォントというフォントといっしょに入手してました。当時写植以外となるとインレタか手描き、どこかの洋書からコピーから手直し、、なんて地獄のような効率の悪さ。なのでこれは救世主!と思い、中古のMacをバカみたいな値段で買ったんですが、同僚には馬鹿にされ、まだまだ理解してくれなかったですけどね。\rそんな日本におけるDTP黎明期、フルカラー対応はもう数年先の話で、1〜2色印刷を始めることになるんですが、そうした際に色々学べた雑誌。\r\r手描きのタイポグラフィーから、DTPでロゴ作りや組版をすると同時に、フォントってこんな色々あるんだと毎月ドキドキしてました。\r手描き文字のハンドリングの不自由さからくる渇望が、紙面に対してどんなフォントが合うんだろう?っていう、マッチングに敏感になるきっかけと、その欲求に毎号応えてくれたバイブル。\r\r少々アカデミックなテイストでもありますが、エミグレフォントの参加作者でもあるネヴィルブロディの雑誌レイアウトなどと同様、ロシアアヴァンギャルド的な大胆なフォントを使った、それでいてホワイトスペースで綺麗に見せる、混乱と洗練さを同居させるページネイションは、今でも参考に資すると思います。こうした本物と違う、その後の劣化コピーが巷に溢れていますが、本号に限らずEMIGREは、自由は制約を貸した上で成り立ってることを教えてくれる雑誌です。\r\rさすがにデザインマニアの域の雑誌ですが、グラフィックデザインを生業にする人の家にこれがあったら、一目置かれます(笑)。